パーツごとのチェックポイント・内蔵電池(CMOS電池)
次のチェックポイントは「内蔵電池(CMOS電池)」です。これも重要な働きをするのですが、とても目立たない、意識にのぼりにくい存在なので、非常に見落としやすいところと言えます。
デスクトップPC、ラップトップPCを問わず、PC内部の設定や年月日、時間を記憶するメモリー領域に電力を供給するために内蔵電池が搭載されています。
この内蔵電池が消耗して電力が不足するかなくなると、PCを起動したときに年月日や時間の表示がおかしくなったり、ファイルやデータの保存日時が不自然になったりと、PCの動作に悪い影響が出てきます。アプリケーションソフトの動作に影響し、挙動がおかしくなることもあります。
目立たない存在ですが、縁の下の力持ち。とても重要なのです。
内蔵電池は充電が可能な「二次電池」ではなく、ふつうの乾電池と同じように放電するだけの一次電池です。供給する電力は小さいものなので意外と長持ちしますが、それでも5~7年ほどで放電し尽くします。つまり、その5~7年ほどが内蔵電池の寿命です。
こわいのは、中古PCを購入して、しばらく使ったあとでPCの挙動がおかしくなることです。つまり購入した時点で内蔵電池がかなり消耗しており、しばらくは問題なく使えていたものの、ほどなくして寿命を迎えてしまうケースです。
寿命5~7年というのは、そのPCが新品として出荷されたときから起算しての年数ですから、そのPCの発売時期を調べれば内蔵電池の消耗の度合いはおおよそ見当がつきます。その見当で明らかに5年を過ぎているようであれば、そのPCの購入は避けた方が良いでしょう。
ただし、内蔵電池は交換が可能なケースもありますので、購入回避を決める前に検討する余地はあります。
デスクトップPCの場合
デスクトップPCの場合は、使われている電池がふつうに市販されているボタン電池の場合が多く、交換も簡単です。
中古のデスクトップPCで、問題になる箇所が内蔵電池だけなのであれば、購入したあと、自分で電池を交換するという方針も「あり」でしょう。電池代の数百円で済んでしまいます。
ラップトップPCの場合
しかし、ラップトップPCの場合は話が変わってきます。市販されていない特殊な電池が使われていることもあります。交換も本体を分解しないとできないので、簡単ではありません。中古PCショップのエンジニアに交換を依頼すると、1万円くらいになってしまうケースもありえます。ですから、電池の種類や交換の容易さ、そして費用を確認する必要があります。かなりむずかしい、あるいは高い費用がかかるようであれば、そのPCの購入は見送りましょう。
パーツごとのチェックポイント・コンデンサー
さらにより一層見落としやすいパーツです。中古PCに関する解説を行っているサイトでも、言及しているところはあまりありません。
コンデンサーです。
電子回路を構成する一般的でごくありふれたパーツですが、これにも「寿命」があるので油断できません。
コンデンサーはごくありふれたパーツです。
充放電できる二次電池と少しだけ似た動作をします。すなわち、電圧をかけると電子をため込み、電圧を下げると電子を吐き出します。この性質を利用して、電子回路の中で電圧・電流の急激な変動の波を吸収して小さくする役割を果たします。
具体的には「
電源」部分に使われます。PC内部にはCPUやGPU、メモリーをはじめとしたさまざまなチップがありますが、当然のことながらそれぞれは電力の供給を必要としています。ひとつひとつのチップに流れ込んでいく電流があり、その入口側の回路に大小さまざまなコンデンサーがつながっています。そして、デスクトップPCの電源ユニットや、ラップトップPCのACアダプターの箱型ユニットの中には、PC全体への電力供給に対応するための大容量コンデンサーが内蔵されています。
つまり、
一台のPCの中に、かなりたくさんのコンデンサーが使われていることになります。そのうちひとつでもこわれると、PCは動作しないか、障害を起こします。
ここではPCの話が中心になっていますが、上記のようにコンデンサーはありふれたパーツですから、実際問題としては世の中に存在するありとあらゆる電子回路に共通したトラブル源なのです。歴史的事実としては、西暦2000年頃、台湾製の低品位電解コンデンサーが、世界各地でポップコーンのようにパンパンとはじけまくるという連続事案がありました。
これの反省に立って、コンデンサーの品質を高めたり、防爆弁を付与したりといった工夫がされるようになりましたが、コンデンサーの劣化は宿命であり、膨張や液漏れといった「コンデンサーの死」は今でも不可避なのです。「電子機器がいつかこわれて動かなくなる」ことの最大要因はコンデンサーにあると言っても過言ではないでしょう。
電解コンデサーはなぜ劣化するのでしょうか。それは電解コンデンサーの構造によるものなのです。
電解コンデンサーは、アルミ箔の電極と絶縁紙を交互に重ねてロール状に巻き込んで作ります。そして、絶縁紙には静電容量を増すため「電解液」と呼ばれる油をしみ込ませてあります。
これをアルミの筒に入れ、ゴムでパッキングしています。ところが、時間の経過とともにしみ込んだ電解液はゴムパッキングに浸透し、外に漏れていきます。
これが完全に抜けてしまうと静電容量が大幅に低下します。コンデンサーとしては機能をほとんど失います。これによってコンデンサーの内部抵抗が上昇し、インピーダンスが極端に大きくなります。「ドライアップ」と呼ばれる現象です。これでコンデンサーの寿命は「尽きた」ということになります。
すると問題は「コンデンサーの寿命はどれくらいか」になりますが、これが少しやっかいで、いちがいに「〇年」などとは言えないのです。つまり、使用状況によって大きく左右されます。
しかしキーワードははっきりしています。「
熱」です。コンデンサー自身の動作による発熱、周囲の温度環境によって変わってきます。
コンデンサーのメーカーのカタログや、部品ショップの資料には「規定寿命」という項目に「周囲温度」と「寿命時間」が併記されています。一般的な電解コンデンサーでは「105℃-2000時間」と記されているものが多いです。
温度が高くなればなるほどコンデンサーの寿命は短くなり、低くなればなるほど寿命は延びます。具体的には、アレニウスの法則にしたがい、「温度が10℃上がると寿命は半分になり、温度が10℃下がると寿命は2倍になる」という形です。
すると以下のような寿命の計算ができます。
105℃ 2000時間
95℃ 4000時間
85℃ 8000時間
75℃ 16000時間
65℃ 32000時間 ……
仮に65℃の環境をコンデンサーに与えられたとしますと、PCを一日8時間使ったとして、
32000÷8÷365=10.9589……
となり、11年ちかくの寿命が期待できます。しかし85℃だとしますと、
8000÷8÷365=2.7397……
となり、寿命は3年を切ります。
この「85℃」という温度は、やや重いタスクを実行しているCPUやGPUまわりでは比較的よく見られるものです。Photoshopなどやや重いアプリケーションソフトを多用していたマシンやゲーミングPCの中古品では特に、コンデンサーの状態を確認した方が良いでしょう。
コンデンサーのいちばん良いチェック方法は「目視」です。パンパンに膨張していたり、基盤に液漏れの形跡があったりといった現象が見て取れれば、そのコンデンサーはほぼ死んでいます。逆にスマートにシュッとしていれば問題ありません。
問題のあるコンデンサーが見つかったPCはどうすべきでしょうか。
問題が数少ないコンデンサーだけなのであれば、特に購入対象から外す必要はありません。何度も言うように、コンデンサーは「ありふれたパーツ」なのです。はんだごてを使いこなす自信があれば、自分でコンデンサーを買ってきて交換できます。もちろん中古PCショップのエンジニアに依頼してもOKです。
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